【ショートショート】難攻不落⑦
考えるのが面倒になって、直接そうぶつければ同期が虚を突かれたような顔を作った。
こいつのこんな顔見るのは、なんだか久しぶりだ。普段の大人びた雰囲気が抜けて、同世代であることが分かるようになるこの表情。そもそも、隊が分かれてからは顔を合わせることも減ったんだったか。今更ながら、こいつとこうして話すのはいつぶりだろうと思った。
「……別に、怒ってるわけじゃ」
「いや、怒ってるだろ」
「……」
追求してみれば、同期は口を閉じて黙りこくってしまった。続けて視線が逸らされて、地面へと落とされれる。
「……私が、あんた見つけたときどんな気持ちになったと思ってんのよ」
普段、はっきりものを言うこいつにしては随分とか細い声だった。ギリギリ聞き取れはしたものの、言われた言葉のその意味が分からなくて「は?」と聞き返す。
「なんでもない!!あんた夜番明けでしょ、明日以降のためにも早く帰って寝ることね!!」
「うわ、」
言うが早いが、同期が持っていた布袋を俺に投げつけた。どうにかそれを受け取る。至近距離からの攻撃と言っても差し支えないそれに驚いている間に、同期はどこかへ走り去っていった。






