【ショートショート】難攻不落①
夜の見回りが終わって、今日の当番のやつに変わってから歩く朝の町。普段は心地よく感じる朝日が、澄んだ空気が、夜番が明けた後だけは酷く鬱陶しく感じる。
朝日に眼を眇めながら自宅へ向かって町を歩く中、唐突に背後から声を掛けられた。
「ねえ、お兄さん?これから、私とどうかしら?」
もう朝だぞ。内心でそう毒づいて、向こうにとって色好くない返事を返すために足を止める。……いや、そもそも俺がこの女の相手してやる義理は無くないか?こちとら夜番開けだぞ俺はさっさと部屋に帰って寝たいんだ。
振り返る寸前にそう思って足を動かそうとすると、するりと俺の腕に女が絡みついた。それに驚き半分、怒り半分で女の方へ顔を向ける。一体いつの間にここまで近づいてたんだこの女。
「お兄さん、見たところ兵士さんでしょ?色々、溜まってるんじゃない?」
言いつつ、女がぎゅうと俺の腕に胸を押し付ける。なるほど、こんなことをするだけあって立派なものをお持ちだ。……じゃなくて。
自分の考えと女に向かってため息を一つ。
「悪いけど、俺はこれから帰って寝るところなんだ。相手探してんのか宿探してんのか知らねえけど、他当たってくれないか」
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