たった20年、私の人生の話㉔

ことことことこと2022年8月10日

 秋ごろだったと思います。どんよりとした天気の日でした。バイト帰りにLINEを開くと、彼からメッセージが届いていました。そこには、以下のようなことが書かれていました。

「もう生きているのが辛いから自殺しようと思う。一応お前には伝えておくね」

 それを見て、私は慌ててメッセージを送りました。幸いすぐに既読はついたものの、返事は素っ気ないものでした。


 私は、とにかく待って、考え直して、と言った旨のメッセージを送り、途中でこれは実際に彼のもとに向かうしかないと思って彼の住む町へ電車を乗り継いで向かいました。


 彼は、まだ生きていました。雨が降る中、どうにか言葉を尽くして説得しようと思いましたが、気づけば手を引かれてとある団地の七階だか八階建ての建物の最上階に居ました。


 仕切りを乗り越えて目の前で飛び降りようとする彼に、私は泣きじゃくりながら「やめて」と言いました。何度か飛び降りようとしてはやめてを繰り返した彼は、途中で私に何度か「一緒に死ぬ?」とも問いかけてきました。

ことこと
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