都会の喧騒、田舎の静寂

僕は田舎なこの街が嫌いだった。
何もなくて、面白味も、刺激もないこの街。
退屈で、憂鬱で、あくびさえ出るくらい
のどかで、おだやかなこの街が。
実家に帰るためにバスに乗ろうとするも、
出ていったばかりのようで次は1時間後。
「はぁ」
呆れたようにため息をつき、僕は呆然と立ちすくんでいた。
「お、山村さんとこの」
突然声をかけられた方を振り向けば、
そこには一台の野菜を乗せた軽トラ。
「今田のおっちゃん」
隣に住んでる農家のおじさんだった。久しぶりに会って、顔つきは老けを増していたものの元気さは相変わらずだった。
「乗ってきなよ」
軽トラの後ろを親指で指す。
野菜と一緒か。僕はため息をつくも、その身体は軽トラの方へと歩みを進めていた。
「都会はどうだい」
「子どもの頃憧れてたよりは疲れる場所だって知った」
「だよなぁ!」げらげら、相変わらずおじさんの笑い声はうるさかった。
「田舎は退屈すぎるけど、都会は僕には忙しすぎるや」
ぽつんとそう呟き、周囲の自然を眺める。
そっか、自分が望む場所なんてどこにもないんだ。欲しいなら、作るしか。
そう思いながら、稲穂をただ、眺めていた。
土臭い、懐かしい香りはどこか僕の心を落ち着かせた。





