都会の喧騒、田舎の静寂

wannkowannko2022年3月9日


僕は田舎なこの街が嫌いだった。

何もなくて、面白味も、刺激もないこの街。

退屈で、憂鬱で、あくびさえ出るくらい

のどかで、おだやかなこの街が。


実家に帰るためにバスに乗ろうとするも、

出ていったばかりのようで次は1時間後。


「はぁ」

呆れたようにため息をつき、僕は呆然と立ちすくんでいた。


「お、山村さんとこの」

突然声をかけられた方を振り向けば、

そこには一台の野菜を乗せた軽トラ。


「今田のおっちゃん」

隣に住んでる農家のおじさんだった。久しぶりに会って、顔つきは老けを増していたものの元気さは相変わらずだった。


「乗ってきなよ」

軽トラの後ろを親指で指す。

野菜と一緒か。僕はため息をつくも、その身体は軽トラの方へと歩みを進めていた。


「都会はどうだい」

「子どもの頃憧れてたよりは疲れる場所だって知った」

「だよなぁ!」げらげら、相変わらずおじさんの笑い声はうるさかった。


「田舎は退屈すぎるけど、都会は僕には忙しすぎるや」

ぽつんとそう呟き、周囲の自然を眺める。


そっか、自分が望む場所なんてどこにもないんだ。欲しいなら、作るしか。


そう思いながら、稲穂をただ、眺めていた。

土臭い、懐かしい香りはどこか僕の心を落ち着かせた。

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しがない小説書き。SSなどを中心に投稿しております。