山頂の日の出

朝焼けの空を見ていると何だか心が晴れ晴れとしてくる。
「ふぅ」
なぜ朝から山になんて登ろうかと思ったのか、私は自分のその行動について考えたが、意味なんて見つからなかった。
そこに山があるから。
強いて言えばかの有名な登山家の言葉がぴったりだと、そう感じる。
ふと登りたいと思ったから、
山の上からきれいな朝焼けを見たいと思ったから、いわゆる最近流行りの朝活、と言う単語が頭の中に残っていたから。
理由なんてつけようと思えば、山ほど頭の中に浮かんだ。
人間とは知能という皮を被っているだけて、本質はただの獣だ。動物だ。
雑食獣に過ぎないのだ。
(都会の喧騒を離れてストレス発散のために田舎に突発で旅行に来たが、きっと私の選択は間違っていなかったな)
ぐびぐび、と喉を潤すためにホテルに置かれていたペットボトルの水を飲む。
乱暴に喉に流し込んだせいで、雫が顔を、首筋を、つぅ、と伝って感覚が研ぎ澄まされているのかひんやりとした感覚を神経が伝える。
意味のないことに人間は意味を感じる。
本当は朝焼けなんてどこでも見ても変わらない。
けれど。
(仕事サボってここ来てよかった)
そう思えた。
