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過去に書いた小説リメイク その14

…そうは言ってもこの時代の人は基本的に無駄遣いなどしないからなあ。何か削れるとしたら人件費くらいのものであるが、そうもいかない物なのだろう。私を雇って下さった家を栄えさせる程度なら手段を選ばなければあるんだろう。だけど…それでは根本的な解決にならない。

お偉方に上訴するのが最も早いのだが…。

…あ。いいことを思いついた。金銭と引き換えにあの方に入れ知恵して召し抱えていただければいいのだわ。

「では、さっそく向かいますか。河内に。それくらいのお金はさすがにあるはずよ」


河内…ゆかりの先祖であった楠木正成が住んでいたあたり。

そう、ゆかりはあの楠木家の子孫であり、自分の先祖に金銭的な支援を求めるつもりなのだ。

「楠木家の周りで起こった戦事情は叩き込まれましたもの。史実通りのことを入れ知恵して気に入ってもらえればいいわ」

さっそく、お世話になっている武家に申し出て、楠木正成からの援助を求めに河内に向かうことの了承をいただいた。

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