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過去に書いた小説リメイク その12

ゆかりは現代人。歴史の知識も、あの両親のせいで多少はあるし、なにより、読み書きと計算ができる。現代人なら当たり前なのだが、この時代ならば十分有用なスキルになるまいか。そう思い、ゆかりは雇ってもらえそうな場所を捜し歩いた。


…意外とあっさり見つかった。武家の財政の管理。実はかなり困窮しているらしく、立て直しも頼む、と言われてしまった。

これは、立て直さなければ職場が倒産、自分をも職を失うわけだ。これは骨が折れるなあ。



いったん話を整理しよう。今は、鎌倉幕府が滅んでから室町幕府が始まるくらいまでの時代。ということは後醍醐天皇の建武の新政が行われている頃ではなかろうか。なるほど、そりゃあ武士はどこもお金がないだろう。しかしこの困窮を私がどうにかできるのだろうか、とゆかりは悩む。

「現代からチートアイテムの一つや二つ持ってこれればよかったのに。」



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