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過去に書いた小説リメイク その10

「ねえ、そこの君!」

私が声をかけることを選んだのは5~7歳くらいと思わしき子供。大人は話すら聞いてくれないだろう、そう考えた末のことであった。

「私はこの場所とは異なる場所から来た。今が何年か、ここがどこで、お殿様の名前を何というのか教えてほしい」

現代の言葉がいかほど通じるかは私にも分からなかった。ただ、最悪の場合は外国人のフリでもすればよいだろうと思った。今が鎖国の時代なら最悪だが、そうでなければ何とかなるのではないだろうか。

「お殿様…?が誰かはあんまり知らない。だけどこの国で一番偉いのは帝様だよ」

…とまあ、そのような感じのことを言われたわけだが、いつの時代にも帝様はいるもので、なんのヒントにもならなかった。

「ええと、、今は征夷大将軍はいらっしゃるの?」

「幕府なら僕が生まれる前に滅んだよ。お姉さん、知らないの?

幕府が滅んだ後、ということか。

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