5分間小説『冷静な人』 第7話

nishidamiyako0120nishidamiyako01202022年3月24日

「火葬してあげよう。煙になって天に昇れたら、ハム助も喜ぶと思うんだ」最近では、ペットを火葬して、お墓に入れる人も多いという。皆が火葬を行っているのなら、我が家もそれにならおう。サヤカに、それを反対する理由はなかった。

「ハム助、一緒にいてくれてありがとうね」

サヤカは泣きながら、冷たくなったハム助を、コウジがタオルにくるむ。サヤカは、ペットの火葬について調べなければと、パソコンを立ち上げた。ティッシュで涙をぬぐっていたサヤカのそばに、コウジがやってきて質問をする。

「サヤカ。それはそうと、燃えるゴミの日って、何曜日だっけ?」

その声には、涙の成分はなく、クールでもなく、ドライに乾ききっていた。

その時、サヤカは気づいた。いつ何時でも冷静である夫の怖さに。

「…サヤカ?」

サヤカは呆然とコウジを見ていた。コウジと出会えたことで、幸せな日々になったことは間違いない。けれども、冷たく感じるのはなぜだろうか。その違和感を、ちょうど今突き付けられた感覚になっていた。

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