5分間小説『冷静な人』 第3話

nishidamiyako0120nishidamiyako01202022年3月20日


「でもそれは、夫婦間で認識の共有が足りていなかった可能性があるよね。隣の奥さんは、旦那さんに。この日は結婚記念日だから予定を開けておくようにって、ちゃんと言っていたのかな?そもそも『結婚記念日は二人で過ごす』ってことを、きちんと約束していたのかな?サヤカも、もし僕にしてほしいことがあったら、先に言っておいてね」

サヤカは、ただ「へぇー。隣の奥さん、かわいそうだね」と共感してほしかっただけで、裁判官からの「判決」を聞きたいわけでも、科学者からの「答え」を知りたいわけでもなかった。サヤカの違和感は、コウジがあまり共感してくれない点にあった。「友達がインフルエンザにかかったの。高熱が出て、大変みたい」「予防接種をしていないからじゃない。サヤカ、うつされてないといいけど」決して、冷たいわけではない。「お気に入りのマグカップが割れちゃって、マユちゃん、大泣きして大変だったんだって」「食器は割れる可能背があるんだから、お気に入りなら、二つ買っておけばいいのにね」

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