3分間小説:第8話『図書館』 後編

そして、男が司書を怒鳴りつける姿が本に載っていた。彼は閉じられていたページを破り、中を開きます。そこから先は白いページが続いています。この本は、未来を予言する本ではなく、起こった出来事がどんどん書き足される本なのだろう。男は、ふと気づきました。それなら、自分で未来を書けばいい。男は、何日もかけて自分の理想の未来を書き続けました。そして、図書館を出た後、男の人生は彼の思い通りになりました。使いきれないほどのお金が手に入り、美しい女性と結婚し、幸せな家庭を築きました。権力を欲しいままにし、多くの人々から尊敬されました。しかし、それから数年後。男は再び図書館を訪れます。
「あの時、私が書いた未来を消せないのだろうか?」
司書は、無表情な顔で答えます。
「一度書いたものを消すことはできません」
「私は、この咲も、何が起こるか分かったような、一度読んだ小説を読み直すような、ドキドキも緊張もない人生を生きなくてはならないのか」
司書は憐れむように一つだけ方法があるといった。
「本のページを破り捨てれば、リセットができますよ。かつて、あなたがそうしたように。ただし、記憶も失うことになりますがね」




