3分小説:第4話『嘘』 前編

新人の白バイ警官が、とある車を見つけた。相手はスピード違反で走行しており、警察としての任務を果たさなければならない。白バイ警官はその車の真後ろから、路肩に車を止めるよう指示をした。「スピード違反です。軽く二十キロオーバーしています」と。ついでに免許を見せるよう指図すると「免許なんてないですよ。もう一年も前に百キロオーバーで捕まっているのだから」と答える。堂々とした口調で、まったく悪びれもない様子だった。「だったら、お前は無免許運転をしているということになるぞ!?」警官は驚きながらも男を叱った。「これは誰の車だ?」と、続けて警官が問う。すると「まさか。俺がこんな高級車に乗れるはずないだろう。ちょいと拝借してきたんだ」と答えられた。警官は責める。「盗難車って、泥棒までしているのか?車検証を見せてくれ」と言うと、男は笑いながら言った。「車検証…あぁ、さっき拳銃をしまった時に見たかもしれないな」と答える。そして、立て続けに言った。「この車の持ち主は女だったよ。拳銃で撃って殺したのだから、覚えているよ」と、まったく悪気の無い様子で男は答えた。



