逆・本屋大賞

「ねーねー逆本屋大賞ってきいたことある?狩屋さん、いつも本そういうの読んでるから詳しいと思って。なんか、噂になってるんらしんだよね。」
ナゴミさんは椅子を揺すって前の席の私に、問いかけてきた。
「んー知らないなぁ。」
良く知っていた。
読書好きを通り越して、一種のマニアの中では非常に不名誉で有名な賞であり
毎年一回選出されるその年に最も話題に上がらず、人にはおすすめしたくない、
時間を返せと思った本に投票して一番票が多かった本が選ばれるのだ。
「なんて残酷な賞!」と思う読書好きも多いが、実は作家のモチベーションを
上げるための企画だったそうで
「1位よりマシ」「まだ書けるぞ」と奮起させることに一役買っているらしい。
そして不名誉にも1位になった作品も一定数の読書がいるからそこ
得票数が集まったのであり、
ノミネートもされない、誰からも読まれない本よりは価値があるということで多少の慰めもあるので批判はあるものの廃止されることはなかった。
今年は誰が選ばれるのか。
ナゴミさんはスマートフォンで何やら検索していて、内容が気になる。
前の席に座る女子高生、覆面作家の諏訪和水さんがノミネートされているんだもの。







