天使(仮)である

ささきささき2022年3月8日

「ねぇねぇママ」


そう言って私を見つめる目は飴玉みたいにまんまるで、キラキラしていて美味しそう。


「ねえってばぁ」


そう言って私の服の袖を引っ張るフクフクの手に、今にもかぶりついて食べちゃいたい。


「もぅ、しーらないっ」


そう言ってプイとそらした頬は、まるでりんごみたいに真っ赤で柔らかくって。


その可愛いほっぺにぷちゅーっと口づけを落とすと、「イヤー!」なんて言って手で顔を押しのけようとするけれど。

くしゃくしゃな顔は満面の笑み。



「本当に可愛過ぎる。こりゃもう誰がどう見ても天使としか言いようがありません」


そう断言する私に、怪訝そうな顔のアナタ。


「君にはこれが天使に見えるって?」


目の前には陸に釣り上げられたマグロの如く、びっちびちとのたうち回る愛息子の姿。


顔を真っ赤にして泣き叫ぶ様は、まるでボス猿の威嚇姿のようで。

思わず笑ってしまったことを悟られ、さらに癇癪レベルが上がっていく。

パパは早々に白旗を上げ、一緒になって泣きそうになる始末。


24時間を365日かける2年半。

子の成長と共に上がっていく母の忍耐力からすれば、どんなに泣き喚こうとのたうち回ろうと、愛すべき天使ちゃんに他ならないのだ。


ささき
ささき