天使(仮)である
「ねぇねぇママ」
そう言って私を見つめる目は飴玉みたいにまんまるで、キラキラしていて美味しそう。
「ねえってばぁ」
そう言って私の服の袖を引っ張るフクフクの手に、今にもかぶりついて食べちゃいたい。
「もぅ、しーらないっ」
そう言ってプイとそらした頬は、まるでりんごみたいに真っ赤で柔らかくって。
その可愛いほっぺにぷちゅーっと口づけを落とすと、「イヤー!」なんて言って手で顔を押しのけようとするけれど。
くしゃくしゃな顔は満面の笑み。
「本当に可愛過ぎる。こりゃもう誰がどう見ても天使としか言いようがありません」
そう断言する私に、怪訝そうな顔のアナタ。
「君にはこれが天使に見えるって?」
目の前には陸に釣り上げられたマグロの如く、びっちびちとのたうち回る愛息子の姿。
顔を真っ赤にして泣き叫ぶ様は、まるでボス猿の威嚇姿のようで。
思わず笑ってしまったことを悟られ、さらに癇癪レベルが上がっていく。
パパは早々に白旗を上げ、一緒になって泣きそうになる始末。
24時間を365日かける2年半。
子の成長と共に上がっていく母の忍耐力からすれば、どんなに泣き喚こうとのたうち回ろうと、愛すべき天使ちゃんに他ならないのだ。



