ノンフィクション

ささきささき2022年3月11日


クリスマス


「プレゼント、なにか欲しいものある?」


彼氏の優から、そんな色気のない質問。

でもそりゃそうだ。

ホワイトデーのお返しの、小さなぬいぐるみを陰でメタクソに言ってたの、聞かれちゃってたもんね。

要らないものをもらうより、聞いてくれた方がずっと良い。


でもね、気に入らないのその質問。

私が欲しい物、わかってるよね?

何度も伝えてきてるもん。

私たちいつ結婚するの?って。

そりゃまだ付き合って1年経ってないけど。

20代中頃ってなかなかの適齢期。

今だってほとんど一緒にいるし、うちの親にも挨拶してくれたでしょ?


私が欲しいのは、結婚の覚悟。

貴方の、私と結婚したいっていう想い。


わかっててプレゼント何が良い?なんて。

気軽に聞いてきた貴方が悪いよ。



「婚約指輪」

「え?」

「クリスマスプレゼント、婚約指輪が欲しい」


え、まじで…?って途端に強張る優の顔。

なんだか私が悪いこと言ってるみたい。

いいよ、逃げ道だって作ってあげる。


「それか、可愛い手袋。マフラーとお揃いのぬくぬくあったかいやつ」


ホッとした優。

さぁ、1ヶ月後に貴方が持ってくるのは指輪?

それとも防寒具?



その日が別れ話にならないと良いな。